あらい歯科・口腔外科クリニック院長の新井 伸作と申します。
私は九州大学病院の口腔外科で多くの臨床経験を積み、また重度の全身疾患を持った患者さんの治療を行ってきました。小郡地区には口腔外科の拠点となる病院もしくは歯科医院がなく、多くの患者さんは福岡市内もしくは久留米市へ行かれていると思います。そのような患者さんの中には、当院で診断および治療可能な方も多いと考えます。当地区で信頼される歯科医院となるよう精進して参ります。
私には大切にしている言葉が2つあります。
1つは童謡詩人である金子みすゞさんの「こだまでしょうか」という詩、もう1つは教育者である安部清美さんの「ひとりの子を粗末にするとき教育はその光を失う」という言葉です。
学生時代を含めると20年以上を九州大学で過ごした私は、大学病院で学び、研究し、症例を重ね、教育し、管理運営に携わる経験ができました。個の努力と能力で乗り切る場面が多いと感じていましたが、経験を重ねてくると、全ては周りの人に支えられていたことに気付きました。そして相手への気持ちや言葉は、同じように自分へ返って来ていると確信しました。また、仕事仲間だけでなく、友人や患者さんともこだまの関係にあると考えるようになりました。治療時には「歯科医師」と「患者」という立場になりますが、良いこだまで信頼し合う人間関係を築くことが出発点だと思います。
私には師匠が何人もおりますが、口腔外科の師匠から「ひとりの子を粗末にするとき教育はその光を失う」という言葉を教えていただきました。この言葉は小学校教育の中で作られたものですが、その師匠は大学教授として、関わる人を大切にしながら医局の運営をされています。私もスタッフや患者さんへ同じ精神で接し、当院歯科治療の光を失わないように努力します。
日本は超高齢社会を迎え、歯科医療においては、全身疾患への知識と対応が必須となります。私は口腔外科での臨床経験に加え、九州大学病院救命救急センターでの勤務経験もあります。当院でも全身の中の口腔という意識を持ち、医科との連携を行うことで安心安全な歯科医療を提供します。
「切り取る」「歯を抜く」といったイメージが強い口腔外科ですが、私が力を入れているのは「歯を残すための外科処置」です。通常の治療では治らないものも、外科的アプローチをすることでその歯の寿命を延ばすことができます。そうした医療の提供により、健康寿命を延ばすことに貢献できればと考えています。